どこまでも暑い夏休み。たいていの大学生にとっては最高に自由であり、「ザ・青春」 を謳歌する絶好の機会です。しかし、私の記憶には毎朝の練習前がとにかく憂鬱だったことが強く印象に残っています。グラウンドに向かう原付バイク。乗りながらで聞いていた音楽を聞き返すと、修行を控えたような気分を今も思い出すほどです。ただ、修行のようなこの経験も、今の私にとってはかけがえのないものです。一緒に過ごした同期、先輩、後輩、全ての関係者に感謝の気持ちで一杯です。
 私は元々体の線が細く、太りにくい体質でした。1、2年のころは練習で先輩たちに何度も吹っ飛ばされていました。当然そのような選手が試合に出られるはずもなく、組織の中で役に立てていないことにストレスを感じていました。
 こんな自分の状況を打開するにはどうすればいいのか。大事なのは、とにかく自分を客観的に見つめることでした。自分に何が足りないのか、何を優先して努力すべきなのか。考えた末に行き着いた結論は、「自分を変えるには体質を変えるしかない」ということでした。チームが契約するプロトレーナージムに通い続け、1回の食事で吸収できるタンパク質量を考えて食事を見直し、体質変化・筋力増大を続けました。その結果、半年後には練習でも強い当たりを実現できるようになり、3年秋から主力プレーヤーとして試合に出場することができました。チームに貢献するビッグプレーをした時の喜びは今でも忘れません。
 Palookasではチーム全員が日頃から自分自身を分析し、チームに貢献するには何をすべきかを考える風土があります。特に上級生になると、後輩がアメフトを客観的に分析できるように指導する立場になります。4年生は「見られる立場」。グラウンド内外の全局面で気を抜く時間はありません。ただ、このような経験が、社会人で必要とされる大事な力を養うことにつながりました。自分の行動・部下の行動を分析し、そこから課題を抽出し、解決策を実行する力。これは今に生きています。
 私は現在、総合電器メーカー・パナソニックの社員としてアメリカ・オハイオ州コロンバスという町に駐在しています。日米の自動車メーカーを主な顧客に、現地の営業マンと共に産業用ロボットの新規販路開拓などをしています。北米の自動車関連市場の規模はすさまじく大きく、ダイナミックなビジネスができて非常にやりがいがあります。 一方で現地スタッフの管理など高難度の仕事も多く、悩みや苦しみを伴いながら日々奮闘しています
 入社して8年。営業企画、国内営業、リクルーターなどさまざまな仕事をさせてもらいました。そのどんな場面でも私のマインドの底にあったのは、Palookas現役時代のスローガン“One Play at a Time”(どんな場面でも全員がその瞬間へ全力を尽くしてチームに貢献する) のモットーでした。夏の酷暑も、ジムの苦しさも、すべては“この1プレー”のため……。今後、どのような環境で仕事をしようとも、この精神を忘れることはありません。