不都合な情報こそ

6月10日 編集者

 

 チーム運営に関わっていると、部内のいろんな情報を耳にします。「いい感じになっている」「うまくいっている」ももちろん多いのですが、悪いニュースが部員から飛び込んでくることもまた事実です。練習環境、支援者の方とのつながり、モチベーションに関すること……。良からぬ報告が連続すると「そんなの聞きたくない」と誰でも一瞬は思ってしまうもの。ただ、そんなときにはできるだけすぐに頭を切り換えて「組織として健全性は保たれているな」と思うようにしています。
 不都合な事実、報告をいかに早く適切に伝え、対処するか。組織とは、危うい状態の時こそその体質が強く表れるものだと思います。「言い出せず、一人で抱え込んでしまいました」という段階になってしまっては、傷口が広がって既に手遅れという事態にもなりかねません。部員は社会経験のない学生です。そして勉強に打ち込むことができた「生真面目さ」を持っている人たちです。ネガティブな報告をする心の扉が重くてなかなか開かなかった、という結末は十分考えられます。そうした中で重要なのは、「悪いニュースの報告自体は決して悪ではない」というスタンスを普段から伝えておくこと、すぐに話せる人間関係を保っておくことなのでしょう。
 だからこそ、伝えなければならないタイミングで話が伝わってこなかった、あるいは別ルートから漏れ伝わってきた時は、「この状況はどうにかしないといかん」と感じてしまいます。
 アメリカンフットボールの試合でも考え方は同じだと思います。1シリーズの攻防を終えると選手はサイドラインに戻り、コーチや仲間と対戦相手の情報を共有します。序盤の総合戦で一見勝っていても、例えば1対1の局所戦では負ける部分があった。最初は表面化しなかったそのわずかなほころびが、情報伝達の不備とともに終盤での逆転負けにつながる……。そんな試合を見たこともあります。常に発生し得る失敗をどうコントロールするか。失敗のマネージメントは情報伝達・共有と不可分だと言えます。
 それは企業も同様でしょう。今年の始めには経営危機や企業破綻のニュースがいくつかありました。いずれもかなり前の段階からその兆候は表れていたようです。どこかにくすぶっていたであろう「不都合な情報」を経営陣がいち早く察知し、適切な範囲で共有できる人間関係があったのかどうか。そこに思い至ってしまいます。
 良からぬ報告を聞いた時、ため息をつきたくなるのを我慢して、まずは「すぐに伝えてくれてありがとう」と返せるか。その度量も大事なのでしょう。

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